6ページ目のお話し





しばらくして、チャコが、眠そうなフクロウを背中に乗せて連れてきました。
「なぁーんじゃい、まだ夜でもないのに、わしゃぁ眠いんだぞぅ。それもなんでわしが人間の為に昼の最中から、こんなところにこなきゃぁならんのだい」
ふくろうはぶつぶつ言っていました。

 そこにうららが一言言ってくれました。
「おねがい、おじいちゃま。沙羅ちゃまは、うららの事を助けてくれたの。今度は森の住人としてうららの森がこのお嬢ちゃまを助けてあげなければ身勝手な人間と一緒になってしまうでしょう」
そう言われると、仕方ないといった具合に目を覚ましました。
夜のふくろうならともかく、昼のふくろうなので襲ってこないと思った他の小動物達も、怖がらずにそこで、一緒に話を聞いていました。

 羽を一度羽ばたかせ、体裁を整えたトマスじいさんは、咳払いを一度しました。
それを見ていたチャコが何を今更格好付けているのとちゃかしました。
「うほん、えええ、この森の封印を解くには女神に会いにいかなければならんのう。うららの森よりもっと奥、深い深い聖なる森にのう。途中、色々な危険もある。見知らぬ怪物もさまよっている場所じゃあ。人間が森に近づきすぎたため、女神は中々うららの森には来てくれんからのう。わしは、とても人間の子供が一人で行けるような場所ではないと思うぞい」

 解決法が分かったものの、うららや、アーネスト達はどうしようかとざわざわとしていました。
しかし、リサの事が心配だった沙羅は、それでも、リサさんを安心させてあげたいから、森の奥に行って、帰りますと言い放ちました。
「私も一緒に行ってあげよう」
突然、後ろの方から声がしました。
見ると、そこには大きな熊が立っていました。

 沙羅は、それを見てびっくりしていましたが、怖がってはいませんでした。
アーネストがマー君と叫びましたが、沙羅は少し首をかしげました。
そこにいるマー君と呼ばれた熊は沙羅の見た銀色に光る毛皮ではなく、黒い毛皮だったからです。

マー君は、のそのそと、沙羅の方に近づいていきました。
「トマスじいさんが騒いでいたので、見に来てみたんだ。森の奥へは私も付いていってあげるよ。だけど、準備がいるね。食料も少し持っていかないと、人間の女の子では食べるものがないかもしれない。さて、それをどうしたものかな」

 すると、今度はうららが言いました。
「じゃあ、蜜蜂のぶんぶんちゃまに特別な密を用意してもらいましょう。」
そう言うと、唄を歌い始めました。

 どこからか、虫の羽音が聞こえてきました。
そして、うららの横にある真っ赤なバラに止まりました。
「おや、うららちゃん、私に何か用かい?」

 うららは、沙羅がこの森を出るために、森の奥に行く事と、そのために食べ物が必要なので、密を分けてもらえないかと話しました。
蜜蜂のぶんぶんは、羽をぶんぶんと鳴らし、答えました。
「そうかい、アーネストのお友達なんだね。いいよ、私の集めた特別な蜜を分けてあげるよ。そうそう、マー君はだめだよ。沙羅ちゃんの分を取らないようにね。さあ誰が私のお城に取りに来るのかしら?」
そう言われて、マー君は頭をかいて鼻をぶうっと鳴らしました。
それを見て、沙羅は楽しそうに笑いました。

その蜂蜜を自分が取りに行ってもいいかと、沙羅はぶんぶんに尋ねました。
ぶんぶんは、真っ赤なバラから離れると、沙羅の頭の上を羽を鳴らして飛ぶと、快くおいでと言いました。




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